2015年12月31日木曜日

【生花正風体】外来のお花でお生花|ユーホルビア、キキョウラン、デルフィニウム

今回は初めて目にするお花、ユーホルビアを遣った池坊生花正風体を生けました。

ユーホルビアという花材、メキシコ原産のお花でかわいい赤い小さな花をつけます。





キキョウランで真と副を作り、ユーホルビアはあしらいに配しました。

柔らかな美しさのキキョウランにかわいい赤い花のユーホルビア、体の淡い青色のデルフィニウムでやさしい生花にしあがりました。

【生けこみ日】2015年12月12日  
【花材】ユーホルビア、キキョウラン、デルフィニウム

2015年12月14日月曜日

新風体生け花で意識したいことは?【生花新風体】アレカヤシ、トルコキキョウ、ユリ




池坊生花新風体を生けました。
池坊生け花は歴史ある流派ですが、新風体は現代に合わせた花型になります。

生花新風体を生けるときに意識したいのが「明るさ」「鋭さ」「際立ち」です。
明るさ・・・未来の可能性を宿し、明日に望む生命の映発する輝き
鋭さ・・・花材の個々の生命感によって生じる緊張感、場所との緊密な適用による機能的な形が見せる鋭さ。
際立ち・・・カラフルで無機物的な材質に囲まれた中で、清浄で、艶やかな生命体が示す際立ち。
池坊専永 新風体総論より

【生けこみ日】2015年11月21日 
【花材】アレカヤシ、トルコキキョウ、ユリ
アレカヤシをあしらいとして前後に配して、立体感を出しました。

大胆に男性らしく入った生花新風体ではないでしょうか。

2015年12月10日木曜日

【生花正風体】フィジア、菊|池坊生け花

【生花正風体】フィジア、菊

今回の生花正風体に遣った花材はフィジアと小菊です。

真と副に遣ったフィジアという花材。初めて見たのですが、ニュージーランドでは一般的に食される果物のようですね。

フィジア - 阿児の松原http://blog.goo.ne.jp/haihaihai_001_4/e/bb6575b75f1466686c564fbb0e3229e9

美味しそうです。どこで手に入るんでしょうか。

 

このように海外の植物も伝統的な花型に当てはめて活かす、池坊いけばなの懐の深さを感じます。

【生けこみ日】2015年11月14日 
【花材】フィジア、小菊

 

副の扱い

副は光が挿す方向に配し、太陽の光を受ける働きをしています。したがって副に遣った枝の下側に出た枝・葉は取り除きます。影の側に葉や枝が出ているのはスッキリしませんし、やや不自然ですよね。

2015年11月19日木曜日

【生花正風体】ネコヤナギ、糸菊

【生花正風体】ネコヤナギ、糸菊

素直に曲がるネコヤナギとかわいい糸菊で生花正風体生けました。


【生けこみ日】2015年11月7日 
【花材】ネコヤナギ、糸菊

 

ネコヤナギは曲げやすい花材です。しっかりと曲げて思い通りの形にしましょう。

写真で振り返ると、副が弱く短かったですね。

 

ネコヤナギの表と裏、陰と陽

どんな植物でも、日の当たる面と日の当たらない面があります。この日の当たる、当たらないで植物の色も変わってきます。

ネコヤナギの場合、日の当たる面は赤色、日の当たる面は緑色をしています。この向きに注意して、赤色の面を陽方に、緑色の面を陰方・下方になるように生けていきます。

2015年11月9日月曜日

【生花正風体】サンゴミズキ、ソケイ、バラ | 池坊いけばな

【生花正風体】アカメヤナギ、バラ
スマートな花器に、伸びやかに入れたサンゴミズキ、ソケイとバラでボリュームを出して、足元を締めました。
【生けこみ日】2015年10月17日 
【花材】サンゴミズキ、ソケイ、バラ
今回使用した花器は細身で縦長の花器です。
アカメヤナギで高さを出し、あまり横には広げないで落ち着いた形にしました。
のびのびと高さを出し、気持ちの良いお花になりました。

2015年10月11日日曜日

【生花正風体】ナツハゼ、小菊

【生花正風体】ナツハゼ、小菊

季節は夏から秋に入り、夏の暑さを忘れかけたこの頃、ナツハゼと小菊で池坊生け花を生けました。

【生けこみ日】2015年10月3日 
【花材】ナツハゼ、小菊

 

今回遣ったナツハゼは山スイコギというものです。

ナツハゼの淡い緑色の葉にオレンジ色の小菊の花。秋らしい色の組み合わせで四季を現しております。

 

ナツハゼは矯めが効く花材で、しっかりと丁寧に矯めて花型の基本を忠実に再現しましょう。

差口から20cm程はまっすぐ、そこから陰方に曲げていきます。

切溜、楔矯めを駆使して思うように曲がります。

2015年10月3日土曜日

【生花正風体三種混ぜ生け】秋らしく、でも楽しげな生け花|ユキヤナギ、フウセントウワタ、クジャクソウ

【生花正風体】ユキヤナギ、フウセントウワタ、クジャクソウ

ユキヤナギ、フウセントウワタ、クジャクソウで秋らしくも、楽しげな池坊生花正風体三種生けを生けました。

 

【生けこみ日】2015年9月26日 
【花材】ユキヤナギ、フウセントウワタ、クジャクソウ(孔雀草)

 

手直し比較【生花正風体】ユキヤナギ、フウセントウワタ、クジャクソウ

ユキヤナギを外側に、フウセントウワタを内側にして、ユキヤナギでフウセントウワタを囲むようにしました。

まとまりがでましたね。

手直しで、フウセントウワタの実を減らし、すっきりとした印象になりました。

体の白い小さな花の孔雀草が優しく足元を引き締めます。

季節の変わり目をいけばなで感じるのはとても日本的でいいですよね。

2015年9月26日土曜日

【生花正風体】コオリヤナギ、キク|枝をうまくさばく

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【生けこみ日】2015年9月19日 
【花材】コオリヤナギ、キク

柳は矯めやすいのでしっかりと曲げて線を綺麗にみせることが大切です。

今回は葉を大胆に省略して、線の美しさを見せました。

体の菊は葉を省いてボリュームを落としました。

2015年9月20日日曜日

【生花正風体】アブラツツジ、キク|生け花の難しさを再確認しました

【生花正風体】アブラツツジ、キク
【生けこみ日】2015年9月5日 
【花材】アブラツツジ、キク
この日のメインの花材は山で採ってきたアブラツツジ。
やはり存在感がありますね。
日の当たり具合によって葉の色がちがう。日がよく当たる葉は日照りで赤く色づいたり、一本の木のなかでも場所によって変化があり面白くあります。

向かい合う葉の向きは?

さて、池坊の生花では陽方(写真左側)から光が当たります(本勝手)。
したがって葉が向きあう役枝があります。
真と副、体と副、前あしらいと後ろあしらいの葉の向きは向かい合わせます。
【生花正風体】アブラツツジ、キク【葉の向き】

窓をつくらない

生け花の窓ってなんでしょうか?
ここです。
窓
下手な絵でお恥ずかしいですが、図の枝と枝とに囲まれた空間が窓です。
窓を作ってはいけません。池坊生花は綺麗にそろった水際が命です。窓ができてしまうと一列に揃った水際の美しさを損ねてしまいます。また、枝さばきをうまくこなして交差をつくらないほうがすっきりと綺麗です。

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2015年9月6日日曜日

【生花正風体】エニシダ(石化柳)、キク

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【生けこみ日】2015年8月29日
【花材】エニシダ(石化柳)、キク

今回も池坊生花正風体を二種類の花材で生けました。

エニシダの細い小枝から小菊まで流れの繋がりを意識して生けると全体的にまとまります。

流れを意識しつつ目線の注目は中心にするため、副のエニシダはあえて細いものを遣いました。

副が細いため目線も横へ逃げない思います。

 

流れ・繋がりを意識するのが重要で、体のキクも四本差し、体谷が極端に低くならないようにしてあります。

自然美を表現する正風体は全体的な繋がりを意識したいですね。

2015年8月22日土曜日

【生花新風体三種】セローム、パンパスグラス、ケイトウ(鶏頭)

【生花新風体】セローム、パンパスグラス、ケイトウ

【生けこみ日】2015年8月22日
【花材】セローム、ケイトウ、パンパスグラス

 

今回は池坊生花新風体を稽古しました。

新風体と言いつつ自由花のような見た目ですが、新風体として生けました。

花材は「大きな面」「濃い緑色」が特徴のセローム、「柔らかい色」「ふわっとした穂」を持つパンパスグラス、「真っ赤な花が美しい」ケイトウです。

さて、この三種の花材を生け花で美しく輝くように生けていきましょう。

 

今回は、セロームを一枚高く、もう一枚を裏面を見せるようにして背景としました。

セロームの前にパンパスグラスを配し、その前に赤いケイトウを置く。ケイトウの赤色がより良く見えます。

左側の大きなセロームの葉の下は、大胆に空間を開けて、粗と密のメリハリを付けました。

面白い作品に仕上がったのではないでしょうか。

2015年8月9日日曜日

【生花正風体三種】パンパスグラス、ソケイ(素馨)、リンドウ(竜胆)

【生花正風体三種】パンパスグラス、ソケイ、リンドウ

【生けこみ日】2015年8月8日
【花材】パンパスグラス、ソケイ(素馨)、リンドウ(竜胆)

今回も池坊生花正風体を稽古しました。

 

この日、真に用いたのはパンパスグラスという花材。

パンパスグラスの生け方は、まず穂を皮の中から出して上げる必要があります。

一枚一枚丁寧に外側から切り取り、中の穂を出してあげます。

この時、穂を出したい大きさによって皮を取り外す位置を上下変えてください。

 

お盆目前の暑い日が続く中の稽古日、花材の色は落ち着いた色でまとめ、秋を感じれられる作品に仕上がりました。

体に用いたリンドウは多くの花をつけ、やや重い印象がありますが、色味が落ち着いているのであえて省かずにそのまま残しました。

副のソケイがパンパスグラスとリンドウを引き立て良く生けられたと思います。

2015年8月2日日曜日

【生花正風体】ドウダンツツジ、ユリ、小菊

【生花正風体】ドウダンツツジ、ユリ、小菊

【生けこみ日】2015年8月1日
【花材】ドウダンツツジ、ユリ、小菊

この日は前回のバラの生花の反省を活かし、夏でも日持ちのする花材で生花正風体三種生をいけました。

バラは暑さで生けた翌日にしおれたので、夏は飾るのには適しませんね。

今回は生花正風体を逆勝手で生けました。ツツジの緑が夏に映え、しばらくすれば咲くであろうユリが雰囲気を豪華にし、小菊が足元を引き締めます。

体に用いた小菊ですが、「根本を引き締める」、「全体をスリムに見せる」ために、両サイドの花を切り落としています。

改めて写真で見ると、体の小菊をもう少し陰方へ振った方が良かったですね。

2015年7月25日土曜日

【生花正風体】雲龍柳、タニワタリ、トルコキキョウ

【生花正風体】ウンリュウヤナギ、タニワタリ、トルコキキョウ

【生けこみ日】2015年7月18日
【花材】雲龍柳(ウンリュウヤナギ)、タニワタリ、トルコキキョウ

少し意匠的に崩した生花正風体を生けました。

真の雲龍柳は夏の夕立時の雷を、副のタニワタリは入道雲を、体のトルコキキョウは夏の爽やかな緑に映える花を表しました。

それぞれの花材の役割がはっきりと別れていて気持ちの良いお花が生けられたと思います。

2015年7月16日木曜日

【生花正風体】夏櫨、アルストロメリア

【生花正風体】ナツハゼ、アルストロメリア

【生けこみ日】2015年7月4日
【花材】夏櫨(ナツハゼ)、アルストロメリア

生花正風体を生けました。

立花に遣えるような立派な夏櫨を師匠の先生が採ってきてくださいました。

改めて写真で見ても立派で迫力がありますね。

 

さて、生花正風体について専応口伝には「よろしき面影」という一節が記述されています。「よろしき面影」を言い換えると、「理想の姿」と意訳することもできるでしょう。生花正風体が目指すのは自然美です。間(空間)を大事にして、自然美を最大限に引き出し、「よろしき面影」を表現します。

 

真に配した立派な夏櫨ですが、枝を省いて空間を作っています。

空間を作ることで個々の枝が活きてきて「よろしき面影」に近づけたのではないでしょうか。

2015年7月5日日曜日

【生花新風体】ウイキョウ(茴香)、エルムルス、タニワタリ

【生花新風体】ウイキョウ、エルムルス、タニワタリ

【生けこみ日】2015年6月27日
【花材】ウイキョウ、エルムルス、タニワタリ

生花新風体を生けました。

ウイキョウの線と優しく咲く花を主役にしたいと思い、他の花材はそれを引き立てるために遣いました。

高く咲くウイキョウの花、ウイキョウの線に対するタニワタリの面、根締めのエルムルスの面白さ。

色は少ないですが面白い生け花になったと思います。

2015年6月27日土曜日

【生花一種生け】アガパンサス

【生花一種生け】アガパンサス

【生けこみ日】2015年6月20日
【花材】アガパンサス

 

アガパンサスのお生花の季節がやってまいりました。

緑色の葉に薄い紫色の花。蒸し暑い季節にこんなにも涼し気なお花をつけるなんて自然の奇跡はすごいですね。

すらりと伸びた茎に、放射状につくお花。まるで真夏の花火が思い浮かびます。

出生を生かすお生花でありながら、そんな想像が膨らむ花材であり、好きなお花です。

2015年6月20日土曜日

【生花正風体】アジサイ、シマススキ

【生花正風体】アジサイ、シマススキ【生け直し】

【生花新風体】アジサイ、シマススキ

【生けこみ日】2015年6月13日
【花材】アジサイ(紫陽花)、縞すすき、(木物の名前は忘れました)

今回は生花新風体を三種で生けました。

写真は、上は再び生け直したもの、下は先生に直してもらったものです。

イメージは右から左へ初夏の爽やかな風が吹いているのを表現しています。

新風体というと意匠的なお花になるのですが、今回はどちらかと言うと自然美を表現した新風体となりました。

 

 

池坊生け花は550年の歴史がありますが、時代ごとに美しく映える花形は違ってくるはずです。また、経済の発展、物流の発達によって世界中のお花を手に入れることができるようになりました。

そこで、考えだされたのが「新風体」です。古来からある「正風体」はあくまで野山の草・花・木の自然美を再現するものです。

一方「新風体」は、花材の特徴を生かす、意匠的に花形を組み立てます。

正風体に定められている花律も関係なく、正風体の花形は「真・行・草」と定められていますが、草の花形に近いものがあります。つまり、新風体は遊び心を持って生けると面白くなります。

そんな新風体なのですが、役枝もあり、主・用・あしらいで構成されます。

そして、何を表現するかが重要になってきます。明るさ・鋭さ・際立ち・意外性・・・などなどこの他にも色々と考えられると思うのですが大胆に表現すると面白い作品になるのではないでしょうか。もはや芸事ではなくて芸術に近いものがありますね。

20150613_150606

横から見た写真。最後部に低めにさしたのが効いていますね。

2015年6月15日月曜日

【生花正風体】アブラツツジ、ヒメガマ、スカシユリ

【生花三種生】ヒメガマ、アブラツツジ、スカシユリ

【生けこみ日】2015年6月6日
【花材】アブラツツジ、ヒメガマ、スカシユリ

今回は生花正風体を三種で生けました。

三種ということで、正風体でありながら、厳密に花形に従うわけではなく、花材の良さを引き立てるように生けました。

テーマは「自然の涼」です。

写真では奥行きと前方への張り出しを感じることはできませんが、前後にアブラツツジが広がり、新緑の山々をイメージし、段違いにして上段から下段前緑がつながるようにしました。

2015年6月6日土曜日

【生花一種生け】芍薬(シャクヤク)|大きな花と大きな葉を生かす

【生花一種生け】シャクヤク

【生けこみ日】2015年5月30日
【花材】芍薬(シャクヤク)(5本)

芍薬の一種生けを生けられる季節がやって来ました。

種類にもよりますが、太くてしっかりとした芍薬は一種の生花で生けても力強い印象になりますね。

太い茎、大きな花、大きな葉・・・力強く男性的なお花に仕上がりました。

芍薬の一種生けのお稽古は、太くてしっかりとしたもので行いたいところです。

 

生け花のお稽古は、自分で行けたあとに手直しをしていきます。

今回の手直しでは次の点に注意して直しました。

 

役割が重なっている部分を省く

無意味に重なっている部分は、生花では美しくありません。ミニマリズムの思考で、最低限で構成された美しさを目指したいものです。

同じ効果をだすのに2枚の葉はいらないということです。

 

気温が高くなって、みなさんのお体も暑さになれるのに大変かと存じます。お花も長く持たない季節になりました。せっかく頑張って生けたお花、少しでも長く美しい姿で飾り、人々の目と心を癒やしたいものです。

水換えをこまめに行い、花持ち剤を使ってお花が痛むのを少しでも和らげましょう。

2015年5月31日日曜日

【生花三種生け】アリアムリーキ、アレカヤシ、バラ



【生けこみ日】2015年5月24日
【花材】アリアムリーキ、アレカヤシ、バラ

今回の生花三種生けは、正風体でありながら、花材の形が面白く個性的であり、少し崩した感じに仕上がりました。

アリアムリーキは先端に球状の花をつけ、茎が「Z型」に曲がっています。
切り口からはネギのにおいがするので、ネギと同じ仲間なのでしょう。

さて、このアリアムリーキですが、個性のある曲がり方を上段で活かしました。

下段は花の形、色のコントラストが強いバラを体にもってきて、副のアレカヤシ2枚でうまく上段と下段をつなぎました。

全体の形はオーソドックスですが、個々の花材の個性と、花器の個性によってうまくバランスの取れた仕上がりになりました。

2015年5月24日日曜日

【生花三種生】リアトリス、レンギョウ、シャクヤク

【生花三種生け】リアトリス、レンギョウ、シャクヤク

【生けこみ日】2015年5月16日
【花材】リアトリス、レンギョウ(連翹)、シャクヤク(芍薬)

 

初夏の陽気らしく日中は暑い日も多くなり、朝夕は冷え込む日々が続いたいますがお体の方は気温の変化に慣れましたでしょうか。

 

そんな中、生けたお花は【生花三種生】。

春の連翹の黄色い花も綺麗ですが、初夏の連用のイキイキとした緑の葉も爽やかですね。

葉を大胆に省いて、線を見せました。

 

初夏の植物の伸びる勢いを現した清々しい生花を目指しましたがいかがでしょうか。

見る人も喜ぶお花になれば幸いです。

2015年5月16日土曜日

【生花】カキツバタ(杜若・燕子花)_季節の移り変わりの生け花

【生花】カキツバタ

  【生花】カキツバタ_開花

【生けこみ日】2015年5月9日
【花材】カキツバタ(杜若・燕子花)

5月は暑い日もあれば、寒い日もあり、季節の移り変わりを感じますね。春を楽しめる貴重な時期です。

四季の移り変わりを繊細に表現する池坊生け花ですが、今回の花材のカキツバタは四季それぞれに相応しい生け方が有ります。

季節によって植物の形は変わります。それを活かしていくのです。

 

燕子花の生け方

カキツバタや花菖蒲は長葉物といい、葉組をして生けます。

2枚で1組(体は3枚)とし、向かい爪(葉先の爪の向きを向かい合わせる)とします。

まずは、株をほぐし葉を一枚ずつにします。

葉表を真に向けて生けるので、葉の裏面を下にして並べます。さらに爪の向きも揃えて並べましょう。後ほど葉を選びやすくなります。

葉組みした2枚の葉のうち、短い方を前にして生けます。

葉組みした葉はを水で濡らした手で上から下に少し力を入れてなぞると二枚の葉がくっつき、綺麗に生けることができます。

下図を参考に生けましょう。

カキツバタ生け方jpg

カキツバタは、花菖蒲と違い曲がりを意識して柔らかい雰囲気で生けましょう。

2015年5月9日土曜日

【生花一種生け】花菖蒲 生け方

【生花】花菖蒲

【生けこみ日】2015年5月2日
【花材】花菖蒲(はなしょうぶ)

 

4月の長雨の後は気候が良くなり、暑さを感じる日も多くなってきました。

そんな時は生け花から涼を感じたいものですよね。

 

今回は、花菖蒲の生花一種生けを生けました。

2本の花が真直ぐ伸び、凛とした姿が美しい花ですね。

 

葉の長さや重ならないように捌くと整然として美しく仕上がります。

花菖蒲の生花は生け方が決まっています。

 

花菖蒲の生け方

花菖蒲の生け方

葉の組み方は上図のようになるのですが、生花ですので、光は陽方から入ってくることになります。従って、葉の表面を花に向けて生けてやります。

葉の表裏の向きは、葉脈が膨らんでいる方が裏となります。

 

葉の組み方も上図のようになるのですが、生花ですので、光は陽方から入ってくることになります。従って、葉の表面を花に向けて生けてやります。

 

葉先には爪が付いています。爪の向きを向きあわせて葉組みを組んであげます。

 

最後に、生け終わったら正面から見て葉の重なりがないか確認しましょう。重なりを極力なくして葉をさばくと美しく見えます。

2015年5月2日土曜日

【生花新風体】イクシア、ハラン、ゴット

【生花新風体】イキシャ、ハラン、ゴット

【生けこみ日】2015年4月25日
【花材】イクシア(イキシア)、ハラン、ゴット

今回は、生花新風体三種生けを生けました。

 

イクシアの真っ直ぐな線を活かしたくて、派手な花材は用いませんでした。

イクシアの線を、ハランの大きな面、ゴットの小さな面が引き立てているはずです。

花器も縦長の濃い色のものにしてみました。

 

生花新風体の生け方

さて、今回は生花新風体を生けましたが、決まりのないように見える新風体も美しく生けるために決まりごとがあります。

  1. 生花新風体といえども、「生花」ですので、花材の種類は1~3種までとします。
  2. 生花は水際の美しさが命です。これは新風体であっても変わりありません。美しい揃った水際に仕上げます。
  3. あとは見せたい部分を決めて、強弱をつけて生けましょう!

2015年4月23日木曜日

【生花正風体三種生け】イクシア、ゴット、バラ

【生花】イキシャ、ゴット、バラ

【生けこみ日】2015年4月18日
【花材】イクシア(イキシア)(真)、ゴット(副)、バラ(体)

今回も、生花正風体三種生けを生けました。

 

イクシアと言う花材、初めて見ましたが、調べてみると、小さな白い花を咲かす可憐な植物だそうです。

細い茎、細い葉、小さな花・・・儚げな美しさを持つイキシャですが、

鮮やかな赤色の花と、深い緑色の葉の強いコントラストを持つバラと上手くバランスを取らなくてはいけません。

 

後から振り返ってみると、バラを一輪低くあしらって新風体にしたほうが良かったかもしれません。

花材の持つ力強さ、色の強さなど、バランスの勉強になった一杯でした。

2015年4月19日日曜日

【生花正風体三種生け】エビモミジ、コデマリ、アイリス

【生花】エビモミジ、コデマリ、アイリス

【生けこみ日】2015年4月11日
【花材】ウリバモミジ(真)、アサヒハラン(副)、キク(体)

今回は、生花正風体三種生けを生けました。

 

新芽を出したエビモミジ、白い小さな花をつけたコデマリ、春の暖かさに蕾を膨らます黄色いアイリス。

春の訪れを感じる生け花に仕上がりました。

 

生命感を出す

エビモミジは折れやすいのですが、力を加減して折れる直前で矯めるのを止めてあげるとしっかり曲が付きます。

小さな新芽が、目一杯春の日差しを求める様子を表現します。

 

エビモミジに枯れ枝が付き枝として付いていました。今回はこれを活用して、枯れ枝と新芽との対比をつくり、新芽の美しい生命感を引き立たせました。(写真だとわかりにくいですが)

 

生け終わった後、陰方がやや寂しかったので、真の後あしらいよりやや低く1本追加しました。

 

 

コデマリとアイリス

コデマリは鮮やかな濃緑色の小さな葉と、白い小さな花をたくさんつける可愛らしい木物の花材です。

かわいい花材なのですが、枝は細く、折れやすいため矯めが効きにくいです。

たくさん着く葉と花を省くことで枝の垂れ具合を調整します。

 

【生花】エビモミジ、コデマリ、アイリス_体は一列

写真を見なおして気づきましたが、3本の体が一列に並んでいません。一列に揃うようにしてやりましょう。

アイリスは矯めが効くので曲げてあげて、体の花形を整えましょう。

花だけを遣うのではなく、葉も上手く遣い、自然な出生を表現してあげましょう。

 

横から見るとこのようになります。

20150411_143609

2015年4月11日土曜日

【生花正風体三種生け】ウリバモミジ、ハラン、キク 「生花初心者のための解説」

【生花正風体三種生け】ウリバモミジ、ハラン、キク

【生けこみ日】2015年4月4日
【花材】ウリバモミジ(真)、アサヒハラン(副)、キク(体)

今回は、生花正風体三種生けを生けました。

 

真には、溜めが効き曲げやすいウリバモミジ、

副には、稽古花としてよく用いられ、矯めが効くハラン、

体には、キクを用いました。

 

正風体なので、花形の花律を守って、花形の美しさを出してあげます。

花律と花形についてはこちらの記事を御覧ください

【生花正風体二種生け】ネコヤナギ、菊【自分の稽古】 ~ 生活の中に花を|池坊いけばな稽古日記

 

正風体では、副側から光が差し込む様に生けてあげます。

枝や葉をよく観察して、葉の向き、日に焼け方から、どちらから光が当たって育ったのかを観察しましょう。

そして、その向きを副側にしてあげましょう。

詳しくはこちらを御覧ください。

【生花正風体】ウリバモミジ、都忘れ 「生花の生け方と副が細い場合の対処法」 ~ 生活の中に花を|池坊いけばな稽古日記

 

このように行けると、花形が整いませんから、しっかりと様々な技術をつかって花材を曲げてやります。

折れないように辛抱強く曲をつけてあげて美しい花形を表現します。

 

ちなみに、今回遣ったハランは稽古花であり、陰の花と呼ばれています。

陰の花は祝いの席には生けられませんので注意しましょう。

2015年4月6日月曜日

【生花正風体】ウリバモミジ、都忘れ 「生花の生け方と副が細い場合の対処法」

【生花正風体二種生け】ウリバモミジ、都忘れ

【生けこみ日】2015年3月28日
【花材】ウリバモミジ、都忘れ

今回は、生花正風体二種生けの稽古をつけてもらいました。

花材は、矯めが効くウリバモミジと、根締めには都忘れです。

真と副に配したウリバモミジは矯めを効かせて、美しい花形に整え、

それに、淡い紫色の花と深い緑色の葉を持つ、控えめな美しさの都忘れが相まって、質素な美しさを出せた気がします。

 

陽方と陰方と花材の向き

陽方と陰方

池坊生花(本勝手)では上図のように、陽方(日が差し込む方)が副側(左)となり、陰方(日から遠い方)が体側(右)となります。

花材を手にとってじっくり観察し、その表(陽が当たって育った側)と裏(日が当たっていない方)を見極める理由がここにあります。

陽方から日がさすので、陽方に花材を裏側に挿すのは不自然になります。

したがって、上図のように花材の表裏の向きを揃えます。

そうなると、花材の表裏向きに従って挿すと形が整わないことがあります。

それを解決するために様々な曲げる技があるので、まずは花材の向きを意識しましょう。

 

花材を曲げる

花材に曲をつけるために、いろいろな技があります。曲をつけて美しい形を出してあげましょう。

押しだめ、ねじりだめ、切りため、楔だめなど

 

副下、体下の枝は原則取り除く

花材によっては、面白い枝のつき方をしていて、副下や体下に枝が付いているかもしれません。

しかし、生花の場合は原則この副下や体下の枝は切り落とします。

生花は花形が命です。切り落としてスッキリと見せることで美しい形になります。

 

枝の話になったので、

木物には付き枝(枝分かれしている枝)が付いていることがあると思います。

つき枝は前後に矯めて、横に広げないようにすると花形が美しくなります。

 

副の枝が真とくらべて細過ぎたら、

副の枝が真と比べあまりに細過ぎたら不自然です。

このような場合は、副の前に太めの枝の胴を配して副を力づけます。

副を力づける胴

 

花無き木物に当季の花を根締めにする

今回のように、花のない木物を真と副に遣う場合、根締め(体)には当季(その季節の花)を遣います。

2015年3月28日土曜日

【生花一種生け】チューリップ 光に向かって伸びる

【生花一種生け】チューリップ_変化

【生けこみ日】2015年3月21日
【花材】チューリップ

 

本日2杯目は、生花チューリップの一種生けです。

写真の左側は生けた直後、右側はその一週間後です。

植物は(特にチューリップは)光を求めて生長します。

だいぶ茎が伸びましたね。

このように生命感ある変化も楽しめるのが生け花の魅力ではないでしょうか。

 

さて、3月も下旬にさしかかり、気温も春らしくなってきました。

植物は気温が高いほどよく育つので、お花屋さん店頭にもある程度長さのあるチューリップが並び、今回生花として生けることができました。

生ける際には、見る人のことを意識して、春らしさを感じる生け方ができるといいですね。

 

チューリップの一種生け生花の場合には、葉が重要な役割を果たします。

どの葉が副にふさわしいのか。

どの葉が体にふさわしいのか。

目の前にある花材と対話しながら生けましょう。

 

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2015年3月27日金曜日

【生花一種生け】ムシカリ(虫狩)逆勝手

【生花一種生け】ムシカリ

 

【生けこみ日】2015年3月21日
【花材】ムシカリ(虫狩)

今回は、ムシカリの生花正風体を生けました。

お花屋さんから花材が届き、包を開いてみると、びっくりするような面白い形のムシカリの枝が入っていました。

面白い形の枝が手に入ったので、これを主役で生けようと決めました。

まず、枝をじっくり観察し、どの向きから見ると一番映えるのかを決めます。

その結果、逆勝手で副に遣いました。

生けたのは生花正風体ですが、面白い枝の形を活かそうとしたので、新風体に近い正風体となりました。

 

ムシカリ(虫狩)という花材は、生け花に於いては少し扱いづらい花材です。

池坊で言う「花形」を表すのに、枝や草を曲げないといけません。

ムシカリを曲げる場合、折れにくいのですが、矯めてもゴムのように元の形に戻るので、曲を付けにくい花材となります。

どうしても曲を付ける場合は、切溜をして曲をつけましょう。

鮮やかな緑色の葉に、白い小さな花をつけ、可憐な感じが綺麗ですよね。



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2015年3月22日日曜日

【生花正風体三種生け】紫陽花、オクロレウカ、菊 自分の稽古

【生花三種生け】紫陽花、菊、オクロレウカ

【生けこみ日】2015年3月14日
【花材】紫陽花、オクロレウカ、菊

 

今回は、真の花器(幅が狭い)で、池坊生花正風体三種生けを生けました。花形は「真」です。

 

池坊生け花の基本である生花正風体。

この生花正風体は真・副・体の三つの役枝で構成されます。

真・副・体の高さは、花器の高さに対して真が三倍、副が二倍、体が一倍となります。

ここまでは前述通りなのですが、一瓶を表す比率は真:副:体=7:5:3となります。

それぞれの花材の存在感を調整して、この比率に近づけましょう。

 

さて、池坊生け花における生花三種生は季節の花を生けるという意味合いを持っています。

木ものと草ものを組み合わせて、根締め(体)にその季節の花を使うことで、日本の四季の美しさを表現します。

菊は秋の花ですが、今回は稽古のために使用しました。

 

また、生花には正風体と新風体があります。

前者は自然の景観を現し、後者は花材の部分的な特徴を活かしてあげます。

池坊の歴史上、新風体の方が新しく出来たわけですがそれには時代の流れがあります。

 

昔(戦前まで)は、季節の花しか手に入れることができませんでした。

したがって、生ける花は正風体で自然美を表現しました。

しかし、時代の流れとともに物流の発達、栽培技術の向上が起こり、季節の草花以外にも、世界中から或いは、季節に関係なく花材が手に入るようになりました。

そして、扱う花材の種類も増えると共に、花材の季節感はなくなっていきます。

このような時代の流れの中、生まれたのが意匠的表現である新風体です。

 

今回は正風体の三種生花です。自然美を現します。

自然美を表すために幾つかルールがあります。

自然な遠近感を出すために、木物を後ろに、草物を前に生けます。

新風体の場合は、このようなことはありません。

花材として遣う草木は木物、草物、そして通用物に分けられています。

木物と草物は想像通りですが、通用物とは何でしょうか。

通用物とは木物にも草物にもどちらにも遣えるものです。

例えば、竹、牡丹、紫陽花などです。

 

ようやく今回の花材について説明します。

 

紫陽花(あじさい):真・真の後あしらい・真の前あしらい

オクロレウカ:副 草物なので、真の紫陽花の前に挿したいところです。しかし、花材の配置を見て、臨機応変に場所を変えます。

小菊:体(体真・体谷・体先)

 

菊を矯めて曲を付ける時は水を下げてから矯めましょう。

1~2分程度水から出してあげます。

菊に水が上がっている状態ですと曲がりません。

また曲げるときは、指先でつぶしながら曲げてやります。→押し溜め

 

もう一つ、菊のような葉が横に開く花材は生けてあげた後にやらないといけないことがあります。

花材を購入した際は、包装紙で包んであるのですが、これによって葉が折りたたまれてしまいます。

この折りたたまれた葉を、葉の付け根の茎を摘んで捻ることで、広げてあげましょう。

葉が活き活きとしてきます。

 

今回の手直しでは、体の菊の花を省いてもらいました。

上述の通り、体の比率は全体に対して3/15つまり1/5です。花を落としてボリュームを落とし、バランスとってもらいました。



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2015年3月14日土曜日

【生花一種生け】サンシュユ(山茱萸)

【生花一種生け】サンシュウ

【生けこみ日】2015年3月7日
【花材】サンシュユ(山茱萸)

サンシュユ一種で生花を生けました。

サンシュユは3月頃から黄色い小さな花を付ける木で生花によく用います。

 

池坊生花の花形にサンシュユを曲げてしなければいけません。

サンシュユの枝は非常に硬いので、今回は切矯めという矯め方をしました。

枝の太い部分に切込みを入れ、切り込みと反対方向に曲げてあげます。



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2015年3月8日日曜日

【生花】木苺(キイチゴ)、小菊 【自分の稽古】

【生花】木苺、小菊

【生けこみ日】2015年2月28日
【花材】木苺(キイチゴ)、小菊
今回は中津川まで行き、井口先生に稽古をつけてもらいました。

やはり今回も生花の基本を体に覚えさせることがテーマでした。

 

真の挿し口の真上に先が来ること。かつ、真上を向き、生命力を出すこと。

真の高さは花器の高さの3倍、副は2倍、体は1倍。

あしらいの長さは、「後 > 前」

副の前あしらいで、真と副の隙間を埋めてやる。

 

から見ると

【生花二種生け】キイチゴ、小菊 横からの図

つき枝を活用し、挿す本数を最小限にしているため、スッキリとしています。

横から見ると、副の前あしらいは前方向に傾け、真と副の間にできる空間を埋めています。

 

付き枝を活用する

生花は真・副・体で構成され、それぞれあしらいがあります。あしらいを構成するのに、1本加えるのも良いのですが、付き枝を活用するとより自然な仕上がりになります。挿す本数が少ないほど、スッキリとした形になりますからね。

花材を選ぶ時、付き枝まで意識して選ぶと、より自然美を活かしたお花を生けられるでしょう。



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2015年3月2日月曜日

【生花一種生け】アマリリス

【生花一種生け】アマリリス
【生けこみ日】2015年2月21日
【花材】アマリリス
今回は生花一種生けでアマリリスです。
アマリリスの一種生けは、池坊ではかきつばたや万年青のように組み合わせ方が定められています。
しかし、改めて写真を見ると真の葉の向きが少し右過ぎました。

アマリリスの挿し口
図1
アマリリスは葉七枚、花茎二本で組みます。
真は葉二枚、副は葉二枚と花一本、体は葉三枚と花一本で構成します。
生花アマリリスの美しさを、二株で寄り添って育つ様にして現してあげます。
真と副を一株、体をを一株とみなして生けます。
そして、二本の花のうち、前の花は中心線よりやや右(陰方)にずらしてあげます。
生花なので高さは花器の高さの三倍程にします。

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2015年2月21日土曜日

【生花正風体二種生け】ネコヤナギ、菊【自分の稽古】

【生花二種生け】ネコヤナギ、菊

【生けこみ日】2015年2月14日

【花材】ネコヤナギ、菊

今回は中津川まで稽古をつけてもらいに行ってきました。

まずは基本を身に付けるということで、生花正風体を生けました。

改めて意識させられたのが、「光の向き」と「花律」です。

 

光の向き

池坊の生花では、出生を表すために光の向きを意識します。

今回は本勝手なので左側から(副方)光が入ってくることになります。→陽方

ということは、真や副に遣う枝も日が当たって育った方(花の向き、色の具合)を陽方に向けることになります。

そして、陽方があればその逆の陰方もあります。これは副の反対側の体の側です。

陰方は光から遠い側なので体の上部の空間を大きく取る必要があります。

 

花律

華道池坊の生花には「花律」と言って、行ける花の高さが定められております。これは、花材の美しさ、自然美を最大限に引き出すために考えられたものです。

【図解】【生花二種生け】ネコヤナギ、菊

基本的な高さは以下のようになります。

【真】 真は最も高く生ける役枝です。その高さは、花器の高さの三倍とされております。水盤などの高さのない花器の場合は幅の三倍にします。そして、真の腰は高さの1/2よりやや低い位置に作ります。

【副】 副の高さは真の2/3とします。そして、副の陽方への振り出す幅は花型(真・行・草)によって変えます。今回は草の花型で、花器の幅の2倍ほどだしてやります。

【体】 体の高さは、体先(1番手前に生ける体)の高さを真の1/3とします。そして、体先は最も遅くに生えてきた新しい枝とするため、花は蕾の割合を多くします。体真は真の1/3より高く、体の谷は最も低くし、よく咲いているものを選びます。

 

少し気を抜くと自己流で、自分のセンスを頼りに、これらの基礎を疎かにして生けてしまいがちですが、改めて基礎の重要性を実感しました。



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