2015年4月23日木曜日

【生花正風体三種生け】イクシア、ゴット、バラ

【生花】イキシャ、ゴット、バラ

【生けこみ日】2015年4月18日
【花材】イクシア(イキシア)(真)、ゴット(副)、バラ(体)

今回も、生花正風体三種生けを生けました。

 

イクシアと言う花材、初めて見ましたが、調べてみると、小さな白い花を咲かす可憐な植物だそうです。

細い茎、細い葉、小さな花・・・儚げな美しさを持つイキシャですが、

鮮やかな赤色の花と、深い緑色の葉の強いコントラストを持つバラと上手くバランスを取らなくてはいけません。

 

後から振り返ってみると、バラを一輪低くあしらって新風体にしたほうが良かったかもしれません。

花材の持つ力強さ、色の強さなど、バランスの勉強になった一杯でした。

2015年4月19日日曜日

【生花正風体三種生け】エビモミジ、コデマリ、アイリス

【生花】エビモミジ、コデマリ、アイリス

【生けこみ日】2015年4月11日
【花材】ウリバモミジ(真)、アサヒハラン(副)、キク(体)

今回は、生花正風体三種生けを生けました。

 

新芽を出したエビモミジ、白い小さな花をつけたコデマリ、春の暖かさに蕾を膨らます黄色いアイリス。

春の訪れを感じる生け花に仕上がりました。

 

生命感を出す

エビモミジは折れやすいのですが、力を加減して折れる直前で矯めるのを止めてあげるとしっかり曲が付きます。

小さな新芽が、目一杯春の日差しを求める様子を表現します。

 

エビモミジに枯れ枝が付き枝として付いていました。今回はこれを活用して、枯れ枝と新芽との対比をつくり、新芽の美しい生命感を引き立たせました。(写真だとわかりにくいですが)

 

生け終わった後、陰方がやや寂しかったので、真の後あしらいよりやや低く1本追加しました。

 

 

コデマリとアイリス

コデマリは鮮やかな濃緑色の小さな葉と、白い小さな花をたくさんつける可愛らしい木物の花材です。

かわいい花材なのですが、枝は細く、折れやすいため矯めが効きにくいです。

たくさん着く葉と花を省くことで枝の垂れ具合を調整します。

 

【生花】エビモミジ、コデマリ、アイリス_体は一列

写真を見なおして気づきましたが、3本の体が一列に並んでいません。一列に揃うようにしてやりましょう。

アイリスは矯めが効くので曲げてあげて、体の花形を整えましょう。

花だけを遣うのではなく、葉も上手く遣い、自然な出生を表現してあげましょう。

 

横から見るとこのようになります。

20150411_143609

2015年4月11日土曜日

【生花正風体三種生け】ウリバモミジ、ハラン、キク 「生花初心者のための解説」

【生花正風体三種生け】ウリバモミジ、ハラン、キク

【生けこみ日】2015年4月4日
【花材】ウリバモミジ(真)、アサヒハラン(副)、キク(体)

今回は、生花正風体三種生けを生けました。

 

真には、溜めが効き曲げやすいウリバモミジ、

副には、稽古花としてよく用いられ、矯めが効くハラン、

体には、キクを用いました。

 

正風体なので、花形の花律を守って、花形の美しさを出してあげます。

花律と花形についてはこちらの記事を御覧ください

【生花正風体二種生け】ネコヤナギ、菊【自分の稽古】 ~ 生活の中に花を|池坊いけばな稽古日記

 

正風体では、副側から光が差し込む様に生けてあげます。

枝や葉をよく観察して、葉の向き、日に焼け方から、どちらから光が当たって育ったのかを観察しましょう。

そして、その向きを副側にしてあげましょう。

詳しくはこちらを御覧ください。

【生花正風体】ウリバモミジ、都忘れ 「生花の生け方と副が細い場合の対処法」 ~ 生活の中に花を|池坊いけばな稽古日記

 

このように行けると、花形が整いませんから、しっかりと様々な技術をつかって花材を曲げてやります。

折れないように辛抱強く曲をつけてあげて美しい花形を表現します。

 

ちなみに、今回遣ったハランは稽古花であり、陰の花と呼ばれています。

陰の花は祝いの席には生けられませんので注意しましょう。

2015年4月6日月曜日

【生花正風体】ウリバモミジ、都忘れ 「生花の生け方と副が細い場合の対処法」

【生花正風体二種生け】ウリバモミジ、都忘れ

【生けこみ日】2015年3月28日
【花材】ウリバモミジ、都忘れ

今回は、生花正風体二種生けの稽古をつけてもらいました。

花材は、矯めが効くウリバモミジと、根締めには都忘れです。

真と副に配したウリバモミジは矯めを効かせて、美しい花形に整え、

それに、淡い紫色の花と深い緑色の葉を持つ、控えめな美しさの都忘れが相まって、質素な美しさを出せた気がします。

 

陽方と陰方と花材の向き

陽方と陰方

池坊生花(本勝手)では上図のように、陽方(日が差し込む方)が副側(左)となり、陰方(日から遠い方)が体側(右)となります。

花材を手にとってじっくり観察し、その表(陽が当たって育った側)と裏(日が当たっていない方)を見極める理由がここにあります。

陽方から日がさすので、陽方に花材を裏側に挿すのは不自然になります。

したがって、上図のように花材の表裏の向きを揃えます。

そうなると、花材の表裏向きに従って挿すと形が整わないことがあります。

それを解決するために様々な曲げる技があるので、まずは花材の向きを意識しましょう。

 

花材を曲げる

花材に曲をつけるために、いろいろな技があります。曲をつけて美しい形を出してあげましょう。

押しだめ、ねじりだめ、切りため、楔だめなど

 

副下、体下の枝は原則取り除く

花材によっては、面白い枝のつき方をしていて、副下や体下に枝が付いているかもしれません。

しかし、生花の場合は原則この副下や体下の枝は切り落とします。

生花は花形が命です。切り落としてスッキリと見せることで美しい形になります。

 

枝の話になったので、

木物には付き枝(枝分かれしている枝)が付いていることがあると思います。

つき枝は前後に矯めて、横に広げないようにすると花形が美しくなります。

 

副の枝が真とくらべて細過ぎたら、

副の枝が真と比べあまりに細過ぎたら不自然です。

このような場合は、副の前に太めの枝の胴を配して副を力づけます。

副を力づける胴

 

花無き木物に当季の花を根締めにする

今回のように、花のない木物を真と副に遣う場合、根締め(体)には当季(その季節の花)を遣います。