【生けこみ日】2015年3月28日
【花材】ウリバモミジ、都忘れ
今回は、生花正風体二種生けの稽古をつけてもらいました。
花材は、矯めが効くウリバモミジと、根締めには都忘れです。
真と副に配したウリバモミジは矯めを効かせて、美しい花形に整え、
それに、淡い紫色の花と深い緑色の葉を持つ、控えめな美しさの都忘れが相まって、質素な美しさを出せた気がします。
陽方と陰方と花材の向き
池坊生花(本勝手)では上図のように、陽方(日が差し込む方)が副側(左)となり、陰方(日から遠い方)が体側(右)となります。
花材を手にとってじっくり観察し、その表(陽が当たって育った側)と裏(日が当たっていない方)を見極める理由がここにあります。
陽方から日がさすので、陽方に花材を裏側に挿すのは不自然になります。
したがって、上図のように花材の表裏の向きを揃えます。
そうなると、花材の表裏向きに従って挿すと形が整わないことがあります。
それを解決するために様々な曲げる技があるので、まずは花材の向きを意識しましょう。
花材を曲げる
花材に曲をつけるために、いろいろな技があります。曲をつけて美しい形を出してあげましょう。
押しだめ、ねじりだめ、切りため、楔だめなど
副下、体下の枝は原則取り除く
花材によっては、面白い枝のつき方をしていて、副下や体下に枝が付いているかもしれません。
しかし、生花の場合は原則この副下や体下の枝は切り落とします。
生花は花形が命です。切り落としてスッキリと見せることで美しい形になります。
枝の話になったので、
木物には付き枝(枝分かれしている枝)が付いていることがあると思います。
つき枝は前後に矯めて、横に広げないようにすると花形が美しくなります。
副の枝が真とくらべて細過ぎたら、
副の枝が真と比べあまりに細過ぎたら不自然です。
このような場合は、副の前に太めの枝の胴を配して副を力づけます。
花無き木物に当季の花を根締めにする
今回のように、花のない木物を真と副に遣う場合、根締め(体)には当季(その季節の花)を遣います。