2016年7月31日日曜日

【生花正風体】ギボウシ(擬宝珠)一種生け



【生けこみ日】2016年5月28日
【花材】【生花正風体】ギボウシ(擬宝珠)一種生け

今回生けたのはギボウシ(擬宝珠)一種生け。
池坊の教本によると、

擬宝珠は紫苑と同じく葉物として扱います関係から、やはり七、九、十一枚という風に奇数の葉を用います。花も紫苑と同じく、真に二本だけを用い、他の箇所には用いませぬ。しかもその花は、如何にも中央から抜きでた感じに用いるものが良いのであります。
葉は十三、十五枚の多数を生けることも差し支えありませんが、出生が葉の丈低きものでありますから、九、十一枚位が最も適切です。而して花形はすべて行の花形として一種生けのみとします。
ここには葉七枚と花二本を使って生けたものでありますが、この場合葉遣いは葉蘭同様の心得で、真の花の前に葉裏を見せて四枚、花の後ろに葉表を前にして三枚の葉を前後株分けに使ったものであります。




わかりやすく図で表すとこんな感じ
後ろの株は真と副になります。花の後ろの葉三枚は表側を前向に生けます。
前の株は体になります。前に挿す四枚の葉は裏側を前にします。

2016年7月26日火曜日

【生花正風体】ニシキギ、リアトリス、スカシユリ



【生けこみ日】2016年5月21日
【花材】【生花正風体】ニシキギ、リアトリス、スカシユリ

今回は生花正風体三種生けを生けました。

横幅のある平たい水盤に 『草』 の形でのびのびと生けました。
※池坊生花には 『真』  『行』  『草』 の形があり、真は動きが少なく、竹筒などの細めの花器に生ける厳かなお花です。草は動きをつけ遊びの感覚が入ってくる形です。


シュンと日に向かって伸びるリアトリスを真に、風になびくようなニシキギを副に、華やかさのあるスカシユリを体にして生けました。

もう少し太いリアトリスが手に入るとバランスがよくなった気がします。上部がやや寂しいですね。

2016年7月21日木曜日

【生花正風体】カキツバタ(杜若)(春のカキツバタ) 池坊いけばな


【生けこみ日】2016年5月14日
【花材】【生花正風体】カキツバタ(杜若)

今回はカキツバタ一種で生花正風体を生けました。
カキツバタは年間を通して生花で生けられる花材。それぞれの季節の出生に合わせた形でいけます。

今回は春のカキツバタをいけました。夏には夏の形、冬には冬の形でいけます。


生ける際のポイント

カキツバタは『葉組』をしていける。そのとき、親の葉(一番長い葉)に葉先の爪を向ける。爪は向き合わせる。

茎を曲げる際は、暖めつつ、時間をかけてゆっくり曲げてやる。折れるときはポキンと折れるので注意が必要。

カキツバタ生け方の図

体には蕾の花、真と副に花一本ずつの計3本の花を挿します。カキツバタのしなやかな美しさを表現したいものです。



2016年7月16日土曜日

【生花正風体】花菖蒲一種生け


【生けこみ日】2016年5月7日
【花材】【生花正風体】花菖蒲(はなしょうぶ)

今回生けたのは花菖蒲、池坊生花正風体で生けました。
花菖蒲のシュッとした凛とした雰囲気、いいですね。


生ける際のポイントの一つは花の向きに注意が必要です。

花の向きは額が覆っている方を正面に向ける



体にも注意が必要です。体に遣う3枚の葉は、真ん中の葉を高くします。カキツバタの場合は真ん中の葉は低くなります。
池坊いけばなは自然の出生を大切にし、自然の美しさを人の手を加えてより良くみえるようにします。ですから出生は極めて重要になります。

ちなみに出生について書いた記事はこちら
【生花】花の出生を大切に|アマリリス【一種生け】 ~ 生活の中に花を|岐阜県多治見市池坊いけばな稽古日記(生け花教室・華道教室) http://ikebana-suiun.blogspot.jp/2014/02/blog-post.html

2016年7月2日土曜日

【生花正風体三種いけ】イキシャ、ズイナ(ハクウンボク)、セキチク



【生けこみ日】2016年4月30日
【花材】【生花正風体】イキシャ、ズイナ(ハクウンボク)、セキチク


生花正風体でも三種いけになると、やや形に遊びが出ます。
生花の花型は真・行・草の順に前後左右への振りは大きくなり、崩したものになります。
一種生けの場合は真や行ですが、三種の場合は草を意識して生花正風体でありながら遊び心をもって生けていきます。

今回は、右にはり出したイキシャの葉をポイントにしました。
まっすぐに生えるイキシャから一本だけ右方向へ曲がり、面白さをだしました。

生花ですので体はまっすぐ、それぞれの花材の良い所を活かすように生けていきます。