【生けこみ日】2015年3月14日
【花材】紫陽花、オクロレウカ、菊
今回は、真の花器(幅が狭い)で、池坊生花正風体三種生けを生けました。花形は「真」です。
池坊生け花の基本である生花正風体。
この生花正風体は真・副・体の三つの役枝で構成されます。
真・副・体の高さは、花器の高さに対して真が三倍、副が二倍、体が一倍となります。
ここまでは前述通りなのですが、一瓶を表す比率は真:副:体=7:5:3となります。
それぞれの花材の存在感を調整して、この比率に近づけましょう。
さて、池坊生け花における生花三種生は季節の花を生けるという意味合いを持っています。
木ものと草ものを組み合わせて、根締め(体)にその季節の花を使うことで、日本の四季の美しさを表現します。
菊は秋の花ですが、今回は稽古のために使用しました。
また、生花には正風体と新風体があります。
前者は自然の景観を現し、後者は花材の部分的な特徴を活かしてあげます。
池坊の歴史上、新風体の方が新しく出来たわけですがそれには時代の流れがあります。
昔(戦前まで)は、季節の花しか手に入れることができませんでした。
したがって、生ける花は正風体で自然美を表現しました。
しかし、時代の流れとともに物流の発達、栽培技術の向上が起こり、季節の草花以外にも、世界中から或いは、季節に関係なく花材が手に入るようになりました。
そして、扱う花材の種類も増えると共に、花材の季節感はなくなっていきます。
このような時代の流れの中、生まれたのが意匠的表現である新風体です。
今回は正風体の三種生花です。自然美を現します。
自然美を表すために幾つかルールがあります。
自然な遠近感を出すために、木物を後ろに、草物を前に生けます。
新風体の場合は、このようなことはありません。
花材として遣う草木は木物、草物、そして通用物に分けられています。
木物と草物は想像通りですが、通用物とは何でしょうか。
通用物とは木物にも草物にもどちらにも遣えるものです。
例えば、竹、牡丹、紫陽花などです。
ようやく今回の花材について説明します。
紫陽花(あじさい):真・真の後あしらい・真の前あしらい
オクロレウカ:副 草物なので、真の紫陽花の前に挿したいところです。しかし、花材の配置を見て、臨機応変に場所を変えます。
小菊:体(体真・体谷・体先)
菊を矯めて曲を付ける時は水を下げてから矯めましょう。
1~2分程度水から出してあげます。
菊に水が上がっている状態ですと曲がりません。
また曲げるときは、指先でつぶしながら曲げてやります。→押し溜め
もう一つ、菊のような葉が横に開く花材は生けてあげた後にやらないといけないことがあります。
花材を購入した際は、包装紙で包んであるのですが、これによって葉が折りたたまれてしまいます。
この折りたたまれた葉を、葉の付け根の茎を摘んで捻ることで、広げてあげましょう。
葉が活き活きとしてきます。
今回の手直しでは、体の菊の花を省いてもらいました。
上述の通り、体の比率は全体に対して3/15つまり1/5です。花を落としてボリュームを落とし、バランスとってもらいました。
池坊生け花教室 華道教室・ギャラリー
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